金属拡張アンカーの論点解説|打込み式・締付け式の分類と反力の受け方
金属拡張アンカーは試験で出題が多く、特に分類と「反力をどこで受けるか」の引っかけが頻出です。この記事では固着メカニズムから5系統の分類、各タイプの構造、反力の受け方、接着系との対比までを整理します。
金属系アンカーの固着メカニズム
金属拡張アンカーは、アンカーの一部を打撃または回転締付けで拡張部を開かせ「くさび状態」にして固着します。固着力は次の2つで決まります。
- 母材孔壁から拡張部が受ける支圧力
- 摩擦力
整理すると、金属拡張=機械的な固着、接着系=付着力(せん断抵抗)。この対比は固着分類の核です。「金属系は化学的に固着する」「接着系は機械的に固着する」のような選択肢が出たら一発で誤りと判定できます。
金属系アンカーの分類(5系統)
金属拡張アンカーは、まず大きく「打込み方式」と「締付け方式」に分かれ、それぞれがさらに細かい型に分類されます。「打込み式しかない」「締付け式しかない」は誤りです。
| 方式 | サブ分類 | 細かい型 |
|---|---|---|
| 打込み方式 | 拡張子打込み型 | 芯棒打込み式 |
| 内部コーン打込み式 | ||
| 拡張部打込み型 | 本体打込み式 | |
| スリーブ打込み式 | ||
| 締付け方式 | 一端拡張型 | コーンナット式 |
| テーパーボルト式 | ||
| 平行拡張型 | ダブルコーン式 | |
| ウェッジ式 |
※ 金属拡張アンカー以外の金属系(その他の金属系アンカー)も存在しますが、出題の中心は上記の拡張アンカーです。
★最頻出:反力はどこで受けるか
各タイプで「打込み・締付けの反力をどこで受けるか」が問われます。打込み式は孔底や取付面で、締付け式は基本的に取付物の面(施工面・コンクリート面)で受けるのが原則です。
| タイプ | 反力を受ける位置 |
|---|---|
| 芯棒打込み式 | 取付面(または施工面) |
| 内部コーン打込み式 | 本体末端部(孔底) |
| 本体打込み式 | コーンが孔底で受ける |
| スリーブ打込み式 | テーパー部の大径部が孔底で受ける |
| コーンナット式(締付け) | 取付物の面(施工面・コンクリート面) |
| テーパーボルト式(締付け) | 取付物の面(施工面・コンクリート面) |
| ダブルコーン式(締付け) | 取付物の面(施工面・コンクリート面) |
| ウェッジ式(締付け) | 取付物の面(施工面・コンクリート面) |
引っかけの王道:締付け式(コーンナット/テーパーボルト/ダブルコーン)で「反力を拡張部の孔底で受ける」とした選択肢は誤り。締付け式は基本的に取付物の面で反力を受けます。打込み式と締付け式で受ける位置が違う、をまず押さえてください。
例外的に芯棒打込み式は打込み式ですが、芯棒の反力は孔底でなく取付面(または施工面)で受けます。「芯棒打込み式は反力を孔底で受ける」は誤り。芯棒打込み式だけ孔底でない点に注意です。
各タイプの構造のポイント
打込み式
- 芯棒打込み式:本体に芯棒を打ち込むことで拡張部が開く。反力は取付面で受ける(孔底ではない)。
- 内部コーン打込み式:内部のコーンを打ち込むことで本体が拡張する。反力は本体末端部(孔底)。
- 本体打込み式:専用打込み棒で本体を打ち込み、拡張部がコーンのテーパー部に沿って拡張する。打込みの反力はコーンが孔底で受ける。
- スリーブ打込み式:拡張部を有するスリーブ、テーパー付きボルト、ナット、平座金で構成される(全ねじボルトではない点に注意)。打込みでスリーブがテーパー部に沿って拡張、反力はテーパー部の大径部が孔底で受ける。
締付け式(共通点:反力は取付物の面で受ける)
- コーンナット式:ボルトまたはナットを締めることで、ボルト末端のコーンナットを引き上げ、スリーブの拡張部がコーンに沿って拡張する。
- テーパーボルト式:ナットを締めることでボルトを引き上げ、スリーブの拡張部がテーパーに沿って拡張する。
- ダブルコーン式:ボルト末端のコーンナットを引き上げると同時に、スリーブ上端のもう一つのコーンも作用させ、スリーブを上下で平行的に拡張する。
- ウェッジ式:ナットを締めることでボルトを引き上げ、テーパーに沿ってウェッジが拡張する。
用語の取り違え(接合筋 vs アンカー筋)
金属系と接着系で「埋め込む鉄筋・ボルトの呼び方」が違います。試験で入れ替えて出題される定番の引っかけです。
| 用語 | 所属 | 意味 |
|---|---|---|
| 接合筋 | 金属系(メネジアンカー) | 差し込む異形棒鋼または全ねじボルト |
| アンカー筋 | 接着系 | 母材に埋め込む異形棒鋼または全ねじボルト |
「アンカー筋は金属系アンカーに差し込む鉄筋」「接合筋は接着系で母材に埋め込む鉄筋」のように主語が入れ替わっていたら誤りです。
あと施工アンカー全体の中での位置づけ
あと施工アンカーは固着方式で次の3つに分類されます。
- 金属系アンカー:金属拡張アンカーと、その他の金属系アンカー(メネジアンカー等)。
- 接着系アンカー:詳しくは接着系の論点解説を参照。
- その他のアンカー類:上記以外のあと施工アンカー。
「金属系アンカーは金属拡張アンカーと接着系アンカーに分類される」のような選択肢は誤り。接着系は金属系の下位ではなく、並列の別カテゴリです。
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よくある質問
- Q. 金属系の固着は機械的、接着系は付着力で合っていますか?
- A. 合っています。金属拡張アンカーは機械的(支圧力+摩擦力)な固着、接着系は付着力(せん断抵抗)です。逆にした選択肢は誤りです。
- Q. 反力の受け方を整理するコツは?
- A. まず「締付け式の反力は基本的に取付物の面」を覚えてください。残るは打込み式の例外として「芯棒打込み式は取付面」(他の打込み式は孔底)と覚えると整理しやすいです。
- Q. スリーブ打込み式の構成要素は?
- A. 拡張部を有するスリーブ、テーパー付きボルト、ナット、平座金です。「全ねじボルト」と書かれていたら誤り(テーパー付きボルトが正)。
- Q. 接合筋とアンカー筋の違いは?
- A. 接合筋は金属系(メネジアンカー等)に差し込む鉄筋・ボルト、アンカー筋は接着系で母材に埋め込む鉄筋・ボルトです。試験では入れ替えて出題される定番の引っかけです。
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本ページは独立した学習サービス「アンカー受験ラボ」が作成したもので、特定の試験実施団体・協会とは関係のない独立した解説です。出題範囲・要件は変更される場合があります。受験前に最新の公式情報をご確認ください。内容は学習用に独自整理したもので、誤りや古い情報を含む可能性があります。